DHA・EPAと認知症
DHA・EPAと認知症の関係
DHA・EPAは、認知症の予防が期待できます。
認知症にはいくつかの種類がありますが、主なものとして、以下の4つが挙げられます。
・アルツハイマー型認知症
・脳疾患型認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症
このうち、全体の約80%を占めるのが、
アルツハイマー型認知症、脳疾患型認知症です。
約60%はアルツハイマー型認知症で
約20%は脳血管型認知症によるものとされています。
一般的に認知症というと、アルツハイマーと認識をされる方が多いですが、
それぞれ症状や進行速度のにも違いがあります。
認知症の症状は、記憶障害を中心とした中核症状と、
性格や環境の変化などが要因となる周辺症状があります。
中核症状とは、脳の神経細胞の破壊によって起こる症状で、
一般的な症状は記憶障害が起こるようになります。
数時間〜数分前に起きたことも忘れるような症状が特徴ですが、
一方では、過去の記憶は鮮明に覚えています。
しかし、症状の進行とともに、過去の記憶も失われていきます。
その他、判断力の低下、時間や場所、
名前などが分からなくなる見当識障害などがあります。
周辺症状は、妄想や幻覚を見たり、暴力、徘徊といった精神症状が現れます。
また同時に、うつ傾向や不安感、無気力といった感情障害が起こります。
周辺症状は性格や育った環境、
人間関係などが関係するため症状は人それぞれです。
◆アルツハイマー型の認知症
アルツハイマー型の認知症は、
脳の記憶を司る部分である海馬のシナプスが機能不全を起こし、
海馬の一部が破壊されてしまうために起こる認知症です。
アルツハイマー型の認知症の人の脳を調べると、
海馬の部分のDHA量が、通常の人の半分以下に減っていたことがわかっています。
DHAが不足していると、シナプスの原料となる
タンパク質やリン脂質も合成できなくなってしまうのです。
すると、脳の情報伝達がうまくいかず、
記憶力や学習能力も低下してしまうのです。
また、これ以外にも、心理的ストレスを長期間受けると
海馬の神経細胞が破壊され萎縮してしまいます。
◆脳疾患型の認知症
脳疾患型の認知症は、脳の血管の血流が悪くなることで血行障害が起こり、
脳細胞が破壊されてしうことが原因で起こる認知症です。
脳の血行障害の原因は、動脈効果や血栓症、
コレステロールなどにより、脳の血管が詰ったり、
切れたりして脳細胞に栄養が届かず、脳細胞が死滅してしまいます。
その結果、脳萎縮が進んでしまい、認知症の原因となってしまいます。
DHA・EPAと認知症の対策
認知症の予防としてDHA・EPAの効果が期待されています。
DHA・EPAには、記憶力に作用する働きがあります。
DHA・EPAを摂取することで、脳機能の改善や記憶力の向上効果が得られます。
(詳しくは、「DHA・EPAと記憶力」へ)
認知症は、様々な薬や治療方法があるとされていますが、
実際のところ、どれも完治には至りません。
それどころか、認知症の進行すら止めることができません。
それどころか、お医者さん自体が飲みたくない薬の一つとして
挙げられているのが、現在処方されている認知症の薬なのです。
その理由は、「高い割には効果がない」や「効果がない割には副作用が強い」など。
つまり、認知症の一番の対策は「予防」なのです。
その認知症の予防のためにDHA・EPAが役立つとされています。
しかし、アメリカの研究で、DHA・EPAは認知症の予防にならないと結果がでました。
しかしその結果をみてみると、運動不足や肥満傾向にあったり、
飲酒や喫煙習慣など生活習慣の問題があるケースでした。
たとえDHA・EPAを十分に摂取しても、
生活習慣によっては認知症予防効果が無駄になるのです。
認知症の予防にはDHA・EPAの摂取だけでなく、生活習慣にも気をつけましょう。